つづら箱

日々感じたこと、思いなどを形にとらわれず、自由に書いてます

ナイ、ナイづくし

私がまだ、小学生だった頃、家には水道もなく、お風呂もなく、テレビもなく、
電話もなかった・・・ナイナイづくし。
おまけに、住んでいる家は、ひとつ屋根の下、牛と一緒だった。
岩手には、曲がり家と言って、馬と一緒という家があるが、あのような代物ではなく、
ほんとに、壁ひとつで区切られた牛小屋と言った方がしっくりくる。
その小屋は父の兄の所有する小屋で、住む家を持ってない父に住まわせてくれていたんだろう。
ちなみに、アパートなど、もちろんないので・・


水道
水道のかわりに水甕があり、バケツで近くの山から水をくんで水甕に貯めていた。
私は、学校から帰ると、まず、バケツ一杯、水をくみに行き、その後、友達とお風呂の薪拾いに行った。その頃は、どこの家でも石油などなく、お風呂は山から薪を拾ってきて
沸かしていた。薪で一番、重宝なのが、杉の葉。
これが、よく燃える・・でも、よく乾燥していないものだと、悲惨!!
煙が、モクモクくすぶって煙くて煙くてたまらない。


お風呂
お風呂は、牛小屋の目の前に父の兄の家があり、つまり、おじさんの家のお風呂を使わせてもらった。
おじさんの家のお風呂は五右衛門ふろで、大きな鉄なべのような風呂。
風呂に入るときは、鉄なべに板でできた底板を浮かべ、それに乗っかりながら入らなければならない。
小学生の私は、いつも、おばさんに補助されながら、おそる、おそる入ってた。
まるで、自分が釜茹でにされてるような気分になりながら・・・・


テレビも電話なかったあの頃から40年以上たった今。
たしかに、あの頃は、ナイ、ナイづくしだったけど、なぜか懐かしく思い出すのはなぜだろう。

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